インドではお見合い結婚が主流だ。
それも日本のお見合いとは、事情が少し異なっている。
憲法上はとうの昔に廃止されているのに、現在でも職業、結婚とすべての面でカースト制度が大きな影響を及ぼしている。
結婚は同じカースト内でするものであり、その相手は親が探す。
インド人の結婚は、親の承諾なくしてはあり得ない。
子供としても、親が決めた相手なら間違いはないという安心もあるのだろう。
大都市では最近、自由恋愛の末に結婚というパターンが見られるようになってきたというが、まだまだ少数派である。
不幸にも恋愛の相手が同一カーストでない場合は、結婚への道は困難を極めることになる。
若い女性が恋人との将来を悲観する余り、自殺という道を選んだ悲惨なケースもある。
インドではカーストの枠を超えて結婚をするというのは、親子や親戚の縁を切られるほどの大事件となるのだ。
全国紙では毎週日曜日、結婚相手の募集欄が数ページにわたって掲載される。
公然とカーストが明記され、区分けされているから驚く。
色華やかなそれらの記事をよく見ていると、思わず笑ってしまうような記述もある。
本人だけでなく、親が自分の息子や娘の相手を募集している広告がたくさん出ているのだ。
自画自賛もさることながら、親が自分の子供に対する評価がこれほど高いのも面白い。
下記、一例を紹介する。
- 「息子は教養の高いハンサムな素晴らしい青年です。色白で高い教育を受けている美しい女性を求む」
- 「タバコを吸わない細身で長身の高い学歴を持つ紳士を希望しています。私はMBAを取得した、若く美しい女性です」
・・どの広告も本人の写真が付いていないのが、なんとも残念だ。
|