
夏休みに一時帰国する多くの親が、「子どもを日本に長く返したいけれど、英語を忘れてしまうのでは…」という焦りを感じるようです。大人でも日本に長期滞在して現地に戻ってきた時、何となく英語が口から出てこない、英語のリズムが解らないと感じる事があると思います。専門家によると、これは言語をつかさどる脳の自然の反応であり、日本に長くいればいるほど日本語が上手になり、同時に英語力はどんどん低下します。これを避けたい場合、率直にいって日本滞在は2週間ほどに抑え、新学期の2週間前には現地に戻って英語になれておくのが理想的でしょう。
そもそも日本語と英語は文の構造や音、リズムなど、共通点が全くない異なる言語です。これらをうまく維持するには常に両言語を聞き、使う環境が望まれます。しかし日本に帰ると、英語を聞く機会などほとんどありません。テレビを見たり、マンガを読んだり、親戚の人に会ったり友達と遊んだりと、日本での楽しみは全て日本語で行われます。知らず知らずのうちに脳の言語モードが日本語に切り替わってしまっているのも当然です。これを防ぐには家庭ではなるべく英語を聞き、話しつづける環境を作り出すよう心がけるしかないようです。
具体的な例としては、アメリカ人で仲の良い友達を日本に招待し、ホームステイさせたケースがありました。これは英語維持にかなり効果があったようです。しかし、アメリカ人の子どもは全く違う環境で生活体験するわけですから、戸惑う事も多く、その子どもの世話は大変だったようです。他にも兄弟で一時帰国する場合は、二人の間ではかならず英語で会話させていたという親もいます。また家で一日中衛生放送の英語番組を流し、週に3日は英会話クラスに通わせたという家庭もありました。また逆に日本に慣れ親しんで英語の宿題を全くしなかった子供もいます。これらは気が緩むとおろそかになりがちなため、親も強い意思を持って指導する事が大切です。
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