いただいたお手紙を読んで、正直言って怒りを覚えてしまいました。脅しや強行策でこのようなケースが解決するとは思えませんし、これでは娘さんを余計萎縮させて逆効果ではないでしょうか。
アメリカの全州が16歳以下の子供の不登校を違法としていますが、全ての学校がこのような強行策を取っているとは思えません。
しかし不登校対策に関してアメリカのいろいろなウエブサイトを検索したところ、多くの精神科医や専門家が「とにかく無理やりでも学校に行かせることが大事。そうすることによって、学校での困難にだんだん慣れ、自分なりの対処法をみつけだすことができる。体の症状もだんだん軽くなるはず。逆に家に長くいればいるほどますます学校に行くのが困難になり、将来社会で機能する人間に成長できない。」などとアドバイスしています。学校のカウンセラーはこのような考えをもとに、脅してでも学校に戻せばだんだん良くなるであろうと考えたのかもしれません。
また親子関係についても、登校拒否を起こす子供は一般的に友達と過ごすよりも親と一緒にいるほうを好み、外でスポーツなどに参加するよりは家で自分の好きなことをする傾向にあるので、親はできるだけ子供を自分から離してどんどん友達と遊ばせたりキャンプにやったりと、独立心を促す必要があるようです。この点は娘さんとお母さんは今までどうだったのでしょうか。またこの問題に関してお父さんの協力は得られているのでしょうか。
娘さんはバイリンガルの家庭とは言えアメリカ育ちなので、少しでも英語に問題がある場合「外国人だから」という言い訳が学校では通用しません。もし彼女がもともと頑張り屋さんで能力が高く完璧主義、また感受性が強い子であれば、よけいプライドが傷つくはずです。実際体は健康そうでも、精神的な苦痛が腹痛など体の症状にも出ているので、好ましい状態とは言えません。子供でも多くのうつ病や不安神経症などが報告されているのがアメリカの現状ですので、できるだけ早くChildPsychiatrist(小児精神科)を訪問するべきでしょう。
学校の冷たい対応に関してですが、子供に「警察を呼ぶ」と脅したりするのはひどいカウンセラーにあたってしまったと思わざるを得ません。本人も学校に行きたくても行けなくて苦しんでいる状態なのですから。しかしながらこれからの将来、社会ではいろいろな困難が娘さんを待ち受けています。子供とは言え、少しずつでも彼女に独立心を促して、あらゆる状況でもずぶとくなれるくらいのトレーニングを始めていくのも重要かと思われます。
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