アメリカ現地校悩み相談室KOMET

アメリカ現地校への転入では、いろいろな問題に直面します。
ここでは,(KOMET 現地校教育コンサルタント 高橋 純子)がアドバイスします。


「教育に適した住居を探したい」
  今年の4月に妻と小学校6年生の娘を連れてニューヨークに赴任する予定です。
  娘は現在東京で私立小学校に通っていて、4月からは現地ではミドルスクールとなります。インターネットや雑誌などで住居探しを始めましたが、地域的に子供の教育に適した環境を選びたいと思っています。また私立校にするか公立校にするかでも悩んでいます。これらを決定するにあたって、どのような点に気を配ればよいか、アドバイスをお願いします。
(東京 、父)
 

 アメリカでは、居住する地域と子供の教育は深く係わりあっています。住宅を探すにあたって、まず教育面での環境を重視するのは正解だと思われます。

 まずアメリカの公立学校についてですが、これらの学校の運営は、主に州からの補助金と地域住民の不動産税から賄われているので、その地域独自の教育理念が生まれたり、貧富の差から教育レベルにも格差が生じているのが現状です。つまり一般的に、裕福な家庭が多く住む郊外の地域は学校の教育環境やレベルも高く、一方都市部など貧しい家庭や移民などが多い地域は、必然的にレベルも低下する傾向にあります。また都市部の公立中学・高校となると、治安そのものにも問題があるところが多いともされています。その結果、例えばマンハッタン内であれば、中流以上の家庭の多くが私立中学・高校に子供を通わせているのが現状です。日本人家庭の視点から考えると、やはり郊外の公立校、または都市部での私立校やインターナショナルスクールに子弟を通わせるのがベストでしょう。実際多くの日本人家庭が、これらの教育レベルの高い地域や学校に集中しているようです。

 さて公立校に通わせる利点としては、一般に安全で緑豊かな地域の中、その学区に住めば必ずその学校に転入でき、しかも無料で質の高い教育が受けられるということです。外国人生徒が一定数以上いる学校では、ESLのプログラムもしっかりと整っているようです。一方私立校は、それぞれ教育スタイルや特色があり、一般的にクラスは小人数制で、特にニューヨークは先生や生徒のレベルも高いようです。市内の私立であれば、お父様の通勤や家族の生活も便利というメリットが考えられます。しかしこれらの私立校も、英語ができない子は受け入れない方針や、受け入れてもESLなどのサポートがない、人気で定員がいっぱいで入れない、などといった問題が発生しています。

 例えば、希望私立校の転入許可待ちのまま夏に来米して、9月から結局空きが出ず大慌て、という例も過去に数件ありました。もし私立校を希望であれば、できるだけ早くからの綿密な計画と予算が必要となり、また学校からの転入許可待ち状態の場合、第2、3希望の学校で確実に転入可能なところをおさえておきましょう。

 さて、先述の通り、日本人家庭は教育レベルの高い地域に集中する傾向がありますが、結果その地域の学校は日本人生徒が多いという可能性もあります。学校では日本人生徒がかたまってしまい、また地域では日本人家族同士でかたまって孤立しているという状況も報告されています。ESLのような特別なプログラムも、公立では地域住民の税金から賄われています。ですので現地校に入るのであれば、できるだけ積極的に学校の活動に係わり、家族で地域に溶け込む努力が強く望まれます。


    



*この回答はあくまでも一般論で、 全てのケースにあてはまるわけではありません。

>>KOMET アメリカ現地校適応教材シリーズ