学校内での事故やけがは、特に先生の監視のもとで起きたケースは、学校が治療費等を負担するのは当然といえるでしょう。娘さんの場合、先生が自分の責任に言及し謝罪をしたのであれば、治療費はもちろん学校に請求するべきです。これが私立の学校であれば、学校内の事故に関するある程度の基準が揃っていて、保険も整っているはずなので、話はスムーズに進むと思われます。しかし、公立の場合、いろいろな公的手続きが重なったり、職員の対応が鈍かったりなど、思ったように簡単にいかないということがあります。その官僚的な体質上、例え学校に落度があったとしても、医療費の負担に関しては、こちらがその話を持ち出さない限り、学校はだまってそのままにしていることがないとも言えません。ですので、学校からの申し出をずっと待っているのでなく、こちらから請求の手続きを正しい手順で始めたほうがよいでしょう。
さて、救急車で運ばれたような多額の医療費が絡んでいる場合、まず個人で校長などと話し合いをするのはお勧めできません。なぜなら、その時に相手を思いやって、とっさに出たなにげない言葉、例えば「先生だけのせいじゃないですよ」「うちの娘も注意散漫なものですから」などを、あとで逆に利用される場合があるからです。また
万が一後遺症が発生した場合のことも念頭に置いておかなければなりません。まずは弁護士に相談されて、このような場合、こちらの権利がどうなっているのかをきちんと把握して、一般的にどのような手順で事を進めばいいか指示してもらいましょう。
弁護士と話をする、となると日本的に考えれば大げさに思われるかもしれませんが、司法社会のアメリカでは日常的に行われていることです。もし弁護士をどう探せばいいのかわからない場合、ご主人が企業にお勤めであれば、例えばその"LegalDept."(法律課)の誰かに事情を説明し、相談できる弁護士を紹介してもらいましょう。また、弁護士には、治療費と相談・弁護料も含め学校に請求してもらいたいということをはっきり述べ、それ以上の訴訟(慰謝料などを請求するためなど)は求めていないことを伝えてください。