学校やお友達に同学年の日本人の子らがいると、やはりみなさんまわりの動向が気になっても仕方ないでしょう。また日本人家庭の中には、来米した時点から日本帰国時の進学に視点を置いて、在米中徹底した学習計画を実行されるところもあるようです。しかし、子供の教育方針は家族によってそれぞれ違ってもいいのではないでしょうか。本が好きで英語を早く覚えた娘さんは、きっともともとの素養が高いと思われます。そのような知的好奇心のある子供は、学校の勉強だけでなく、本などからも自分でどんどん知識を得、家庭教師や塾などに頼らなくても優秀な成績をおさめたりします。それでいてあくせくせず、のんびりとした家族というのは、実は逆にまわりから羨まれているかもしれません。今のままで英語も上達し、成績も問題がないのであれば、無理にまわりと同じことをする必要はないように思われます。いろいろな本を読んだりして、知識や興味、感性を高めることができるのは、最高の学習だと思います。
さて英検に関してですが、ご存じのとおり、これは英語能力を問う検定試験で、日本でのみ通用するものです。日本への帰国や進学の前に、現地で学んだ英語のレベルを測るため、「とりあえず」と受けている人が大半なようです。ですので、今の段階から受ける必要はありませんが、もし将来日本での進学を考えておられるのであれば、帰国前の年になれば適当な級から受け始めても損にはなりません。その際は、英検問題集などであらかじめ形式などに慣れておくと、戸惑うことも少ないでしょう。反対に、このままアメリカで進学を考えられている場合、英検の効力はありません。しかし、いずれはISEE,SAT,TOEFLなどの一般共通試験は避けて通れない道となります。ですので、ある程度必要な時期になれば、だんだん試験慣れさせていくことも、本人のためにはいいかもしれません。
在米の日本人家庭は、教育も手探り状態が多く、とりあえず「右向け右」についていれば安心している傾向にあります。一方それが必ずしも、能力や学習スタイルの違う子供全員に良い結果をもたらしているとは限りません。まわりに惑わされず、自信を持ってご家庭の教育方針をつらぬきながら、押さえるところは押さえる、といった姿勢が理想的ではないかと思われます。