これは日本人が多く在住する地域では、実はよく耳にするケースです。新しく来米した側も助ける側も、このように両方悩んでいる場合が多いのではないでしょうか。現地校で英語ができる日本人生徒がいると、学校側もついその子に通訳以上のヘルプやケアを任せてしまうようです。また助けられる側は、どうしても最初は頼りがちになってしまいますが、それが長く続くと助ける側もだんだん負担に感じてくるのが通常のようです。
助ける側の悩みとしてよく聞くケースは、一日中つきっきりで助けているうちに100%依存されてしまい、日本人同士でべったり孤立してしまう、自分の本来の学習ができない、英語の環境なのに日本語ばかり話し、まわりにいい印象を与えない、他の友達と遊べずそのうち自分の友達が離れていくーーーこれらの障害から、助けたいけれど助けるのを重荷に感じ、自分まで疎外感を持たれるのに警戒していくようです。助けてもらう側は毎日生き抜くのに必死なので、相手の悩みに気付かないケースが多く、「同じ日本人なのだから助けてもらって当然」と思いがちになります。こうなると、助ける側に不満が募るわけですが、それを伝えてしまうと、今度は自分が「心が狭い」「意地悪」と思われるかもしれない、といったジレンマがあるようです。
日本人同士ということもあり、これからもバランスをうまく取ってつきあっていかなくてはならない場合、こうしたケースは子供だけでなく、親同士の感情的な問題にも発展しかねません。助けてもらう側の教訓としては、ある程度の時間をかけて手伝ってもらったら、次はできる限り自分の力でやってみる努力が必要だということです。A子ちゃんも、おそらくこれらのことで悩み、「もうそろそろ自分のことは自分でやってもらうように頼もう。」と結論を出して、娘さんにそれを伝え、本来の友達と再び遊び出したのかもしれません。結果娘さんは「冷たくされた」と感じ、彼女達の仲間に入れてもらえなくてつらい状況にあると思われます。しかし、クラスメートはA子ちゃんだけではないはずです。簡単な英語から覚えて、勇気を出して他のアメリカ人の子供達に助けを求めてみてはいかがでしょう。例えば昼休みにクラスメートがグループで遊んでいたら、”Can I join you, guys? ” と言って仲間に入れてもらい、親切にしてくれる子がいれば”Hey, do you want to come to my house and play?”と、その子をプレイデートに誘うなどして、自分なりに友達を作っていく努力が必要だと思います。