在米2年の4歳児の息子がおり、あと5年ほど在米の予定です。日本では私が仕事を持っていた為、現在は一緒に居られる時間を大切にしたいと考えています。このためESLのあるキンダーに上がるまでは、プレスクールに入れる考えはありません。家での勉強はアルファベットやその他のドリル、フォニックス、ひらがなの練習などをしています。また午後は姉の迎えの後に公園で遊ぶといった流れです。息子は弟にも優しく、私の言うこともちゃんと聞く子に育っています。しかし我々が在住の地域は、特殊な環境で、殆どの親御さんが2歳や3歳でプレスクールに通わせています。周りからも色々うちのやり方に意見されるので、少しとまどっています。私達夫婦の考え方、やり方に問題があるのかどうか、是非アドバイスをお願いします。
(コネチカット州、母)
周囲の多くの家族が子供をプレスクールにやっている中、夫婦ではっきりした信念とポリシーを持って教育方針をつらぬいていらっしゃる姿勢はすばらしいと思います。プレスクールの必要性に関しては賛否両論ありますので、どちらが正しいと決定づけることはできません。またこれは、子供の性格や素養にも関係していると思われます。なかには子供がまだ2歳でどうしようかと迷っていながらも、「まわりが行かせているから、うちも早期教育」という親も少なからず存在するようです。
アメリカの教育熱心な地域では、プレスクールのレベルでも、日本の大学なみに授業料が高く驚かされます。しかも評判の良いところは競争率が高く、コネがないと入れないことが多いとも指摘されています。そこまでしてプレスクールに通わせるメリットとしては、幼稚園が始まるまでに、子供が少しずつ親から離れることに慣れるということがあります。子供によっては親とのアタッチメントが異常に強く、親から離れて他の子らと遊ぶより、親とずっと一緒にいるのを好む子もいます。このような子供は、急に学校が始まってもしばらくは、なかなか親から離れられなくて困る場合があります。また、小さいながら社会のルールを学び、他の子らとの係わりから社交性を身につける、という利点もあります。例えば家で兄弟どうしだと、どうしても上下関係やわがままが出てしまいがちです。おもちゃを平等にシェアーできない、欲しいものを力ずくで奪いあう、ゲームなどで自分ばかりプレイしたがる、またゲームで負けていると全てめちゃくちゃにしてしまう、などはよく見る光景です。以前に日本で保育園に行かず、来米してすぐ幼稚園に入った男の子が、1年後にもこのようなルールや基本的なスキルが身につかず、先生から1年生に上がらず再度幼稚園をやり直すよう指導されたケースがありました。しかし、このような子供は家でもこの傾向が見られているはずです。ですので、息子さんが4歳ながら兄弟にも親切で、親の言うことも聞き、いろいろなことを自分でやろうという自立心が見られているのであれば、幼稚園が始まってもさほど問題となることはないでしょう。今は家庭でお母さん、お父さんと情緒をはぐくみながら、基本的な学習やしつけを積み重ね、来年の幼稚園に備えてください。息子さんを一番良くご存知のご両親が合意して、これが息子さんに適しておられると判断されているのですから、周囲が言うことは気にしないで良いと思われます。
(単行本) 「アメリカ駐在 これで安心子どもの教育ナビ」
2008年7月15日発売