【Fami Mail】  vol.34 2003.8.19掲載
体験してみるシリーズ  シリーズ第4弾

ビザ取得 奮闘記   by Nora Kohri

アメリカ滞在中にビザを切り替えた。しかし、切り替えただけでは出入国が自由にできない。どうしても海外に出てからでないと正式なビザはもらえないという。そのため、パスポートに貼られるビザを取得するために日本へ向かった。

当初の話では、書類を提出して2,3日でもらえるとのことだった。しかし、事態は 2週間になり、さらに夏休み中だから3週間かかると聞いた。これは旅行代理店の話で、彼らはビザ取得の代行をして手数料をビジネスにしている。確かな情報のはずだが?ちょっといい加減のように思えてきた。

私は多めにみて、1ヶ月日本に滞在する計画で帰国した。

とりあえず、すべての書類は揃っていたので、旅行代理店を通さずに自分で申請しようと考えて、空港に着いたその足でアメリカ大使館に手数料を聞き、手数料の100ドルを日本円に換算してアメリカ大使館の口座に振り込んだ。

次の日、書留で郵便局から書類を全部送った。これで数週間後にはビザを貼ったパスポートが手元に送られてくるとほっとしていた。

しかし、数日後、もうアメリカ大使館より書類が戻ってきた。あれ?早すぎる。と思いきや、なんとそこには面接の要請が書かれてあった。

急きょ、7月よりビザ申請の方法が変わりました、とのこと。そんな!突然!

7月22日よりファックス付き電話より面接予約日の受付開始と書かれてあった。そして、実際の面接は8月4日以降とのことだ。

となるとそこから10日後に私はアメリカに戻る予定なのに、間に合うのか?すごく不安に思った。とにかく22日にはなんとか一番で電話をして面接日の予約を入れないとならない。

そして22日がくる。朝8時より電話をかけ始めた。しかしいくらかけてもお話中。とてもかかりそうにない。昼間の1時までに5分おきに電話をした。それでもかからない。私はパニックになりかけた。ノイローゼだ。

これでは自分の力ではどうしようもないと判断し、旅行代理店に相談した。彼らの話では、どうやら私のようなケースでは面接はいらないのではという。そんな〜!そして毎日大使館へは行っているので、あした書類を持っていって上げましょうという。
ええ?とにかく事態は必死なので、すぐ新橋の旅行代理店まで出向き、書類を届けに行った。不思議なことで、代理店に渡しただけで私はほっとした。しかし、彼らからその晩電話がかかり、やはり面接は必要とのこと。というわけで書類を戻すという。
とりにきてくれという。しかし、とりあえず、彼らは予約を入れてくれるという。つまり代理店専用の回線が大使館とあり、大使館に予約をとってくれた。もうこの時点でお願いしたので、代理店に手数料の1件につき、1万500円が請求されたわけだが、そんなことよりもアメリカに帰れるかが大きな問題だ。私は大学院に9月からどうしても通わなくてはならない。遅れることはできないのだ。

なんとか予約がとれた。予約日は8月の7日9時半とのこと。

当日早々と大使館に向かう。と、そこにはもうすでに長蛇の列。暑かったが、かんかん照りではなかった。列のところには水が供給されていた。セキュリティーチェックの関門を2つ通って、大切な携帯まで取り上げられた。中に入ったら涼しかった。 ほっとした。しかし、私は緊張続きだ。とにかくいつパスポートを返してくれるかだ。これからかけあわなくてはならない。戦闘が待ってたのだ。アメリカに帰ってからもたくさんの予約が入っていてそれらはキャンセルできない。だからどうしても予定の15日にはアメリカに帰らなくてはならない。

中では二つの列があり、旅行代理店を通して予約を入れた人の列とそうでない列があった。私は短い旅行代理店経由の列に並べた。1万500円はこういうところに流れているのか?受付の人は実に感じのよい人でほっとした。そして待つこと30分ほど。
やっと面接官から呼び出しがあった。窓口に立ったままの面接だ。私は幸いにして英語が母国語のような人間なので、だいたい質問はわかっていたので、相手から質問される前にべらべらと渡航目的、今、コロンビア大学で社会福祉を勉強していて、9月からは大学院の2年生になること、自分の名前を Nora Kohriで必ず h を入れてほしいこと、どうしてもパスポートを出発予定日までに返してほしいことなどを必死になって伝えた。幸い、審査官はとてもよい人で、私に「がんばってください。」とエールまでかけてくれた。そしてパスポートは来週の始めには返せるようにするといってくれた。これでほっとした。今までの緊張が一気にほどけたように思えた。溜池山王に向かう道のりはかろやかになっていた。

しかし私はまだパスポートが手元にくるまでは落ち着かなかった。週末明けの月曜日に代理店から連絡が入った。うれしかった。パスポートがもう戻ってきたとのこと。
やった〜!すごくうれしかった。やっと私にも夏休みが来たと思った。ほっとした気分でこれでやっと日本を満喫できる。そう感じるほどであった。

その後この話をありとあらゆる人にしたところ、私以上にたいへんな人たちがいることがわかった。会社で担当者をあてがい、その人は1日中甲斐なく予約の電話をしていたこと。新聞には北海道からはるばる東京の大使館に面接に来た人の話。3時間も並んで5分の面接を経験した人。若すぎるとか渡航目的がはっきりしないとビザが下りなかった人。とにかく全国で東京、大阪、沖縄の3ヶ所でしか面接を行なわないという。しかしビザ申請者は年間万といる。しかも日本全国に広がっているのに。

ひやひやしたビザ取得だったが、私はまだまだ恵まれているほうであったとあとからわかった。

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