転勤妻 灼熱印度
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サイト【転勤妻】 運営主宰者 大向 貴子

第2回 インド人はインドが大好き
100人中89人が「Yes」。
さきごろインドの5大都市で行われたアンケートで、「生まれ変わってもまたインド人に生まれたいか」の問いに答えた人の割合だ。
「中国人とは違って大多数のインド人はまたインド人として生まれることを熱望している」と大きな見出しで全国紙Times of Indiaに紹介されていた。

少し前に中国でネット上において実施された「生まれ変わっても中国人になりたいか」のアンケート結果は日本のメディアでも多く取り上げられていた。
こちらは「他国人になりたい」と答えた人が6割を超えた。
アンケートを実施したサイトは閉鎖され、関係者は処分されたという。
愛国主義教育を推し進める党中央宣伝部など当局の意向に沿わなかったためとみられる。

BRICsとして注目されるアジアの両大国だが国民の意識はこんなにも違う。
インドを強く愛する理由として「多様性の統一」、「急速な経済成長」、「豊富な人材」などが挙げられていた。
上記理由とは異なるかもしれないが、こちらで生活し始めた当初から「インド人はインドが大好きだ」と実感することが多々あった。
このアンケート結果は私にとって「やっぱり」と納得する数値である。


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ダイエットブームのインド
ジョギングやウォーキングもサリーで
若者でにぎわうトレンディスポットを悠然と歩く牛

参入しはじめた外資ブランド
インドに浸透していくのか
世界中を伝統民族衣装のサリーで闊歩するインド人女性。
都市の若い世代ではGパンにTシャツ姿も見られるが、それでもサリーを纏う女性の数には遠く及ばない。
公園をジョギングやウォーキングをしているときもサリーのまま。
サンダルからウォーキングシューズに履き替えているのが唯一の着替えのようだ。
見ていると何とも暑そうだし窮屈そう。
どうして着替えないのかと不思議だった。
日常的に着るサリーはインド人女性の生活すべてに密着している。
毎日朝から晩まで民族衣装を着て生活をすることが基本となっているのだ。
「私達インド人はこの衣装にとても誇りを持っているの。世界中で一番美しい衣装よ」と目前で言われたときはある種のカルチャーショックを受けた。
日本人は着物という誇れる文化を持っているが着付けを出来る女性が今ではどの位いるのだろう。
恥ずかしながら私も着付けなどできるわけもなく着物は一着も持っていない。
一昔前までは着物姿を多く見るお正月だったが、最近では暮れから新年にかけて美容室の着付け予約もほとんどないという。
自国の伝統衣装をここまで執着し誇りを持ち続けるインド人に大きな文化の違いを感じる。

食文化にも強い固執を持っているインドはすべての料理をインド化してしまう。
スパイスを使っていない料理は存在しないのではと思うほどスパイス漬けのインド料理の数々。
日本人にとっては馴染みのある中華料理店に行ってもメニューの品々はインド風にアレンジされた料理となっている。
何を食べても結局のところインド風料理という印象を拭いきれない。
そうでなければインドには受け入れられないという一面があるのかもしれない。
世界中の若者から愛されているフライドポテトもこの国ではインドの伝統的スナック「サモサ」にはかなわない。
海外へ行ってもインド人は結局カレーを食べるためにその国のカレー屋を探すという。
確かに日本人も寿司をはじめるとする日本料理が好きな人は多い。
それでもインド人ほどの執着と食文化への強いこだわりをもってはいないのではないだろうか。

欧米文化の影響をあらゆる面で受け享受している日本の生活。
金太郎飴のようにどこを切っても「インド」が根付いているインド人の暮らし。
海外での生活は世界がいかに広く、また多様性に満ちていることを教えてくれる。



2006/11/15

つづく

 
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