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連 載  「暮らしの中のニセ物考」-1

◆ 没 収 ◆

 格安ツアーの増加で、海外旅行が場所によっては国内より安く行けるように なりました。すっかり定着した週休2日制に目を付けた大手の旅行会社などは、ニキュウパ(2万9,800円)の韓国・ソウル1泊2日ツアーまで実現さ せています。
年間1,700万人からの日本人が海外に出かける時代を反映し、東南アジアにでかけた帰りに有名ブランドの偽物を買い込んでくるのが今や「定食コース」同然。成田空港や関西空港の税関検査でニセモノとわかり、没収される例 は増えるばかりです。
両空港の出発ロビーには、フランスやイタリーなどの有名ブランド商品の本物とニセモノを並べた展示コーナーがあり、これから出かける旅行者に偽ブランド商品を国内に持ち込むのは犯罪であることを警告しています。
 ところが、そんな警告もどこ吹く風。韓国、香港、台湾、タイなど観光の人気スポットは世界有数の偽ブランド生産国とあって、偽ブランドが有力なみやげ品ともなっているのです。
 ちなみに、偽ブランド商品の国内持ち込みは「関税定率法」(21条)で麻薬、拳銃、覚せい剤、ポルノ雑誌などと同様、輸入禁制品なのです。
 従って、税関検査で見つかれば、違法行為として没収され、大量の場合、逮捕されるのです。海外で偽ブランドを買う人は、没収、逮捕を覚悟しなくてはなりません。国際空港や港にある全国210の税関の出先には、ブランド品の専門知識を持った125人の専門家が目を光らせているのです。
 

この数年、偽ブランドも技術革新が進み、韓国で製造された製品のなかには「スーパーコピー」「超級品」などと呼ばれる品物もあり、真贋の区別が付けにくなっているのも事実です。
 税関では、旅行者から持ち込んだ偽ブランド製品のほか、貨物船や漁船などによる大量な密輸品などのなかで、真贋の区別がつかないバッグや衣類、運動靴などを年間100万点近くを仕出し地に積み戻してます。つまり、偽ブランド品を生きたまま、送り返しているのです。こうした製品は、手をかえ品をかえして再び日本のどこかに再び送り込まれる心配があるのです。とりわけ、韓国、中国、台湾製が全体の7割をしめています。偽ブランドの疑いがある商品を積み戻さずに、税関検査で明確に二セモノと判断し、それらの商品を刑務所の服役者に使ってもらうなど有効利用を考えられないものでしょうか。(明)

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(c) Mei Sasaki, 2001