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連 載  「暮らしの中のニセ物考」-3

◆ ニセ薬◆

(左が本物)
米国のファイザー社が開発した性的不能治療薬「バイアグラ」が製薬史上最速の成長新薬として話題を集めました。何しろ、発売後、3カ月の売り上げだけで364億円。昔から「薬九層倍」といわれるだけに、当たれば大もうけにつながるのが、製薬業界です。しかし、効く薬ほど副作用が心配で、米国だけでも50人以上の男性が服用後に死亡しているのです。
 驚異的な人気商品ながら、日本国内では医師の処方箋がなければ入手できません。気の早い人向けに大手旅行会社がグアムやハワイなどで新薬を買いつける「バイアグラ・ツアー」まで、登場しました。一方では、輸入代行業者を介して入手する人も多く、品不足もあって、たった1錠で1万5千円まで跳ね上がった事もありました。
 超人気商品とあって、すぐニセモノが登場しました。錠剤の一個一個についている「pfizer]社の刻印が不鮮明で一見しておかしいとわかるものでした。
 くすりは、体内に入り込むものだけに、得体の知れない成分のニセ薬品程悪質で怖いものはありません。
 ニセの薬品といえば、日本原産の「正露丸」と「チオクタン」が香港で出回 っている事を取材しました。漢方薬の本場でありながら、なぜか香港の中国人の間で日本のくすりに人気が集まっているようなのです。
 ニセ物を取り締まっている香港海関(税関)で現物を見せてもらったところ、「チオクタンS」の表記はニセ物も本物も区別がつかないのに、「正露丸」
のほうは、「中島正露丸」の方がニセモノでした。
 どちらのニセモノも成分分析をしたところ、本物とはまるで違う成分が使われていたそうで、効果が期待できない事はいうまでもありません。
 米国の経済誌が数年前、世界の偽物事情を特集しましたが、その中に、ニセの化学肥料とニセの経口避妊薬が扱われているのは驚きでした。知らずに使ったアフリカの数カ国の農民は収穫の半減を嘆き、一方では、産児制限のため服用したのに、生まれてしまった赤ん坊を仕方なく抱いている米国人女性の写真が掲載されていました。 (明)

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(c) Mei Sasaki, 2001