英語で最も子供が発音するのに苦労する音は何でしょう?それは、日本人キラーでもある”R”です。サ行で舌がペロっと出てしまう「舌たらず」の子も割と多いのですが、私の経験では、”R”がダントツ1位です。なぜ”R”がそんなに難しいのでしょう?単純に言えば、それは「見えない音」だからだと言えます。”P”や“T”や”F”などは唇や舌や歯の動きが見えるのに、”R”は舌を喉の奥の方にギュッとしまい込む感じなので、音の出し方が見えないのです。
子供によく見られる間違いは、単に”R”が抜けていたり、”W”を差し換えてしまうことです。”door” が日本語のように「ドア」だったり、”ring”と”wing”が両方”wing”に聞こえてしまうんですね。「赤ちゃん言葉で可愛い」で済むうちはいいのですが、アメリカ英語(特にカリフォルニア州)には多く使われる音なので、2、3年生くらいで”R”ができないと、特訓特訓!です。
一方、シリーズ音が全部言えない子はたいへんです。この「シリーズ」とは、パターンが色々あるのですが、最後の一音が抜けて「パーク」が「パー」になってしまったり、フーと息の漏れる音が出せなくて”Fun”(ファン)が”Pun”(パン)になってしまったり、話の意味を大きく変える場合があるので、たいへんです。さすがに「元気?」と聞かれて、”I’m fine”「私は元気です」と言ったつもりが、”I’m pine” 「私は松の木です」では困ります。
実際の私の生徒の話。公園の池の話をしているときに、しきりに「どーぁ、どーぁ」と言ってニワトリのように肘を曲げて腕をパタパタさせているので、「そうね、ダックもいるね」と答えると、彼はノーと否定。その後、何度彼が繰り返しても「どーぁ、どーぁ」としか聞こえなく、私は「??」。やがて、背中に手をあててパタパタしだしたので、「わかった!シャークだね!」と言うと、彼はパァっと笑顔になって頷きました。”SH”が”D”になり、”R”が言えなくて、語尾の”K”が抜ける3パターンが重なると、こうなるのです。しかも、公園の池にシャークは・・・大きく的ハズレです・・・。
発音の訓練は、日々練習!舌も筋肉なので、続けてトレーニングをしないと上達しません。英語を練習中の皆さんも、1週間に1度の1時間レッスンより、1日10分の練習をしてみてはいかがでしょうか? |