子供のネーミングにも文化の違いが出て非常に面白いものです。新年度を迎えるたびに生徒の名簿に並ぶ名前を眺めては、どんな子かを想像してみたりします。名前には、ずいぶん楽しい発見が色々あります。
ラテンな名前の面白さは、書面では「ホセ・カンポス」君のはずが、実際に会ってみると「アントニオ・ゴメスです」なんて言われたりするのです。聞くに、本名は「ホセ・アントニオ・カンポス・ゴメス」だとか。ミドルネームをつける習慣と、夫婦の苗字を2つ繋げる習慣のあるラテン文化では、こういうことが少なからずあります。ともすると、ホセ君の父親もホセだったりして、また驚くわけです。西洋の文化では、息子が父親の名前を受け継ぎ、〜(父親の名前)Jr.と名乗るという習慣が昔からあるようですね。
日本でも、イマドキっ子には、「ありす」ちゃんや「りさ」ちゃんなど、洋風でおしゃれな名前を持つお子さんが少なくないですね。ところが我々日本人は、英名には慣れていても、あまりラテン名にはまだ馴染みがないのではないでしょうか。英語のGeorgeには違和感がないのに、そのスペイン語版のJorge「ホルヘ」と聞くと、なんとなく力の抜けてしまいそうな音の並びに、ついクスッと笑ってしまいます。また、Jesus「ヘスス」という名前を英語読みして聞いて、「ジーザス!?」と、たいがいの人は目を丸くします。実は、とってもポピュラーな名前なんですけどね。
また、ブラックな名前もなかなかユニークです。「Q」や「’」(アポストロフィ)が付くと「ブラックキッズに違いない!」と、私の中では法則が決まっています。ShaniquaやDe’Angeloなどがその例です。また、以前、Karea(カレアちゃん)という黒人の女の子を受け持ったとき、彼女の妹の名前がTaiwanちゃんだと聞いて、驚いたことがあります。どうやら、彼女のKareaも韓国を意味する”Korea”から来たのだと、その時初めて気付きました。「その名前はどこから来たの?」と聞くと、「お母さんが、聞こえが気に入ったんだって。」と、わりと単純な返事が返ってきました。
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