ペット、家畜が関連している感染症-表D

表D
注)
表Dの説明
  
    表D
病原体を保有する動物または環境
ウ シ
ヒ ツ ジ
ヤ ギ
ブ タ
ウ マ
水 牛
イ ヌ
ネ コ
サ ル
他の哺乳類
淡水(川など)
土(つち)
ヒ ト
ネ ズ ミ
ダ ニ
ト リ 類
病名
たんそ
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ブルセラ症
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カンピロバクター症
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肝ジストマ
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クリプトスポリジオ
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ジス症
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皮膚糸状菌皮疹症
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包虫症
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鉤虫症(こうちゅうしょう):
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リーシマニア症
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レプトスピラ症
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リステリア症
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メリオイド症
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リフトバレー熱
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トキソプラスマ症
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ダニ脳炎
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旋毛虫症(せんもうちゅうしょう)
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BSE
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コクシジオイド菌症
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ハト
クリプトコツカス症
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病原体を保有する動物または環境
ウ シ
ヒ ツ ジ
ヤ ギ
ブ タ
ウ マ
水 牛
イ ヌ
ネ コ
サ ル
他の哺乳類
淡水(川など)
土(つち)
ヒ ト
ネ ズ ミ
ダ ニ
ト リ 類
病名
注)
マーク :その動物または環境が病原体を持って(保有して)いることを示しています。
マーク 動物から昆虫が(ここでは「サシチュウバエ(別名スナバエ)」が病原体を他の動物またはヒトに媒介することを示しています。
マーク :動物から「カ、ダニ」の類がヒトや他の動物に病原体を媒介することを示します。
「ネスミ」は、「野生動物」で「ペットや家畜ではありません。

表Dの説明

 表Dにはペットや家畜が関連している18種類の各感染症について、病原体を保有する動物や環境の種類を表の上下に示してあります。

 病原体の保有動物、あるいは病原体の保有環境とは、各感染症の病原体が一定の動物や環境に侵入すると、そこで増殖し、他の動物や人間に病原体を感染させる恐れのある動物、あるいは、環境の総称です。

 例えば、炭疽 では、ウシ、ヒツジ、ヤギの下に黒マークがついているので、この感染症の病原体(細菌)は以上3種類の動物に侵入すると増殖し、その病原体を他のウシ、ヒツジ、ヤギや人に感染させる恐れがあり、これらの動物が炭疽病原体の保有動物ということになります。しかし炭疽の病原細菌がウシ、ヒツジ、ヤギに侵入しなければ、他のウシ、ヒツジ、ヤギおよび人間に病原体を感染させることはありません。しかし病原体の保有動物か、または保有環境かについて外見から判断することはできないので、あらかじめ予防的対応が必要になります。

 表Dに示した18種類の感染症に対する予防接種の有無をしらべますと、ウイルス性感染症の一つであるリフトバレー熱は、表Bに示したウイルス性出血熱の一つで、現在使用できる予防接種はありません。ダニ脳炎は予防接種が開発されており、主として東ヨーロッパで使われているようです。

 細菌性感染症炭疽ブルセラ症はともに予防接種が開発されておりますが、前者はあまり広く使用されてなく、後者はその予防効果についての評価が決まっていないようです。旅行者下痢症の主な病原体と言われる細菌性のカンピロバクター腸炎(または下痢症)には予防接種は存在しません。その他の細菌性感染症であるレプトスピラ症、リステリア症、メリオイド症などには予防接種はありません。

 真菌性感染症(カビ)のコクシデオ菌症、クリプトコッカス症、寄生虫感染症である肝ジストマ、クリプトスポリジオージス症、皮膚糸状菌皮疹症、包虫症、鈎虫症リーシュマニア症などに対する予防接種はありません。 このように真菌性および寄生虫性の感染症に対する予防接種は全く存在しません。

 細菌性感染症であるレプトスピラ症はおそらく50から100種類またはそれ以上の病原体からなる症候群のため、その一部であるワイル氏病に対する予防接種では全体の予防は不可能です。

2007年3月23日
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医学博士
渡辺 義一
 
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