その昔、数字のゼロを発見したインド人。
紀元前のインダス文明で、すでに10進法に基づく計量を行っていたという。
理数系に強いというのはインド人の素養かもしれない。
近年IT産業の牽引役として注目されているが、優秀なのはIT分野だけではない。
医学分野でも、優秀な逸材を多数産出している。
デリーやチェンナイなどの大都市にある総合病院は、一流ホテルのような佇まいだ。
在籍する医師の多くが、欧米の一流大学で最先端の教育を受けてきている。
近代設備を整え、そこだけを見るとインドの病院とはにわかに信じられない。
もっともこれは、外国人や富裕層のみがかかれる高額な総合病院の話。
地方にある公立病院では、いまだに環境設備をはじめ医療水準は劣悪状態である。
公立病院では医療費がかからないため、貧困層の人たちで溢れかえっている。
医療器具や薬も足りない。
優秀な医師はどんどん都市部の病院に引き抜かれていくため、医師自体の数も不足している。
この不均衡な状態こそが、インド全体を表しているといってもいいかもしれない。
インドでは心臓手術をはじめとする、外科手術のレベルが非常に高い。
費用は自国で受ける何分の1かで治療を受けられる。
アメリカで1千万円以上かかるといわれていた心臓病患者が、インドでは数百万円で手術が受けられた話も紹介されていた。
リビングルームがあるスイートルームでの入院も、一泊わずか数万円という魅力は大きい。 |