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何気なくをやったことが大きな損害に結びつくときに人は血の気が引き、その表情は青くなる。保険会社にいると、仕事柄そのような人をよく見かけるが、損害額が保険金額を越える可能性がある場合では、自殺等万一のことを心配しなければならないほど思い詰められている方が時々いる。幸いにして請求された額が保険金額を越えることはあっても、解決金額が保険金額を超えた例は、私の経験では未だかつてない。かといって今後も絶対にないとは言い切れるものでもない。
6月26日（日）の午前1時過ぎ、米国出張中のA氏一行3名は、A氏と同僚のB氏とがシカゴのベストウェスタンホテルに滞在し、社長はペニンシュラホテルに滞在した。
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* このようにハンガーを掛けることを禁止する
マークつきのものもあります。
本件はマークなしでした。
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長旅の途中であり、A氏は夜中に1629号室のバスルームで洗濯をした。下着を旅行用のハンガーに掛け、天井にあったスプリンクラーのリングに掛け、皺伸ばしにパンパンと軽く引っ張った。日常の何気ない行為である。その途端猛烈な勢いでスプリンクラーから水が撒かれた。驚いてバスルームから出ると、部屋の中のスプリンクラーは全て散水している。「えらいことになった！」と焦るＡ氏は、タオルで抑えようとしたが水は止まらない。止むを得ず同僚の部屋に助けを求め、直ぐにフロントに連絡をしてもらった。フロントでは夜中のことであり散水を止めルことができるメインテナンス担当者がいなかったため、直ぐに消防署に連絡して出動を要請した。シカゴの消防は通報を受けて5分以内で現場に到着する。そして発生から15分後に散水は消防士により止められた。1629号室から真下の部屋に4階まで黒っぽい水が流れて室内を汚損水損した。また、その部屋はエレベーターに近いところであったためか、その後エレベーターが作動できなくなった。 |
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シカゴには、『一旦スプリンクラーが散水したら消防士が原因を確認するまで水を止めてはいけない。』という法律はないが、ローカルルールとして『ホテルやビル等公共的建物の場合には、消防士又はビルのメインテナンス担当者以外はスプリンクラーを止めてはいけない。』と決められている。他の国では法律でこれを法律で定めているところもある。
A氏は、呆然自失であったため、同僚のＢ氏がJiデスクシカゴに事故の報告をして来た。ホテル側より強く責任を追及されている模様であったため、一切の約束をしないように指示して、Jiデスクが賠償交渉のためホテルに直接連絡する旨説明した。二人とも青くなっているのが手にとるようにわかる状況であった。
その後ホテルのゼネラルマネージャー、ロードメイヤー女史と交渉の結果、損害が大きいため評価鑑定を行うこととなった。事故のあった部屋の下に向かって汚れた水が流れ落ち、壁、じゅうたん、木製の家具調度品などに損害が及んでいた。エレベーターは幸い清掃乾燥だけで作動を再開した。当時シカゴではコンベンションが行われており、全てのホテルはほぼ満室状態であった。4階から16階までの部屋の壁と天井の壁紙張り替え、カーペット洗浄乾燥、家具調度品清掃のための費用がUS130,000.ドル、部屋の使用不能損害がUS50,000ドル、合計US180,000ドルとなった。損害額は日本円で2,012万円であった。（＠US$/111.76円）
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ジェイアイは、全て交渉の窓口となりこの金額を海外旅行保険で支払い、A氏をトラブルに巻き込むことなく解決をした。「下着の皺を取ろうとして2千万円とは！」と驚きながら、改めて保険に入っておいてよかったと胸を撫で下ろしたA氏であった。 |
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* 反応温度により、米国ではこのような種類のものが
多く使われています。 |
お守りが役立つ時 海外旅行保険
