昨2002年に続き、今年も米国本土に"西ナイル熱 (West Nile Fever) 以下WNF"の流行が始まった。
米国CDCからの報告によると、今年7月9日までに米国本土の28州で、130羽のカラス、63羽の他種の、トリの死体や、歩き方のおかしいウマ、1匹のイヌから"WNFの病原ウイルス(WNFV)を検出し、この病原ウイルスが、かなり広く分布していることが推定されました。人の感染者は、5月29日にノースカロライナ州で70歳の男子がWNFVの感染による脳炎を発病しています。
更に、7月16日までにWNF患者は、テキサス州から3名、アラバマ州から1名、サウスカロライナ州から1名、計5名の患者が散発しており、42歳から73歳までの全員男性であると報じられています。
以上の報告から多くのことは言えませんが、今年のWNFVの流行パターンは昨年のものと非常によく似ているようです。
昨年の流行を参考にすると、流行は秋が深まるまで続くのではないかと思われ、特に65歳以上の年齢では、感染すると生命に関わる恐れがあると考えます。
WNFVは、"カ"が主な媒介昆虫で人に感染させますが、戸外にいるダニも媒介役を演じているとも言われています。
"媒介するカの種類"については、"イエカ"という報告もあるようですが、他の文献では"各種のカ"というのもありますので、カに刺されないための住居の設備、昆虫忌避剤の正しい使用法を知っていることが大切です。
この2つを良く知ることで、WNFのみでなく、マラリア、デング熱、その他カによって媒介される伝染病の予防に役立ちます。
以上述べた2つの予防についての詳細は、私の著書「海外で健康にくらす」の第U部"住居の設備を整える"(85〜86頁)および「資料3」337頁、"カに刺されない工夫"を参照してください。
尚、WNFVの症状、その他については、以前に述べてありますが、この病気に感染した人の大部分は症状を示さず免疫になっているのが特徴のようです。
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