■日本人の友達がいるよ!ケイコっていうんだけど... ケンブリッジは国際色豊かなので、はじめて会う人と話をするときは、必ず「どこの国の出身?」という質問をお互いにします。自分の住むフラットも様変わりし、右隣はオーストラリア人からパレスチナ人に、左隣はイラン人からカナダ人になりました。 ところが、です。決まって言われるのが、「あっ、日本人の友達いるよ。XXXっていうんだけど。」というセリフです。「おいおい、知るわけないでしょ。日本人は一億人以上いるんだよ。だいたいXXXなんて下の名前じゃわからないよ。せめて苗字を言いなさい。」とは言えませんが、心の中はそんなカンジです。 それが、です。ポルトガルのマデイラ島で国際学会があったときに、お互い一人で来ていたことも手伝い、イラン人の研究者と話す機会があったのですが、そのときに、自分が言われたら苦笑するくせに、恥ずかしげもなく、「あっ、イラン?大学にいたとき、自分の研究室に、ハサンっていう人いたよ。」と言ったところ、なんと「あっ、知ってるよ!」との答え。 もちろん、非常に似通った研究分野の間で、という狭い領域ゆえってのはあるのですが、外国人が、知っている日本人の名前を言いたくなるのも少しわかるような気がしました。 しかも、現在同じ研究室にいるイラン人にも、懲りずに「あっ、イラン?大学にいたとき、自分の研究室に、ハサンっていう人いたよ。」と言ったところ、これまた「あっ、知ってるよ!」との答え。う〜ん、「ハサン」恐るべし。 ■ハードワーカーだよね?
最も日本人について言われるのは、このセリフじゃないでしょうか?「何時から何時まで働くの?」という質問です。「8時半から夜9時とかぐらいかなぁ?」と答えると、「クレージー」「やっぱりハードワーカーだよね」という返し。 何回か、そのやりとりを繰り返しているうちに、日本人の仕事に関する事情を正確に知らせていない気がしてきました。時間だけいえば、ハードワークに感じるかもしれないけど、やっている本人は、そこまで一心不乱にやっているわけじゃないよ、と。このままだと、家庭や楽しみを犠牲にして、仕事をひたすらやっている理解不能な国民、という烙印を押されかねません。というよりむしろ、すでに押されているのを再確認させている状況といえるでしょう。 このままではいけない。そこで、反論しようとして、「いやいや、そう言いながらも、ずっと一心不乱に仕事しているわけじゃないよ。ご飯をみんなで食べに行って、そうそう、たまには飲んだりして、その後で仕事に戻ることもあれば、ちょっと会社のファシリティを拝借して仕事以外のことをしてたりとかするんだよ。」と言ったところ、「クレージー。早く家に帰ろうよ。」というセリフが返ってきて、なんとも墓穴を掘る始末。 最近では、こういうことにしています。「日本人は好奇心が旺盛。そして完璧さを追求するのが好き。だから、どうしても仕事途中で他の発想が出てきてそれを試してみたくなったり、少しのミスでもあれば最初からやり直したくなるので、どうしても遅くなってしまう。だから日本製品って、質が高いでしょ?」 ■日本に行くんだけど電化製品安く買える?
外国人が好きなのは、お台場でも六本木でもなく、秋葉原。こんなセリフを何度か聞いたことありますが、確かに、外国人も電化製品は大好き。秋葉原の名前こそ、そこまでメジャーではありませんが、日本に行けば電化製品を安く買えるんじゃないかと、皆が思っているようです。 しかし、普通に買ってしまうと、電圧の差があるわけで、アダプタなどをイギリス向けに変えなくてはなりません。そうなると、より高くついてしまうことになり、最初から海外向け(240V仕様)の製品を買わないことには、何のメリットもなくなってしまいます。しかし、そういったショップの知識は自分にはなく、いつも「ごめん。安く買えると思うけど、自分は知らないんだ。」と謝っている状況です。 先日も、イギリス人の教授に同じことを聞かれたので、ちょうど近くにマレーシアと香港の学生がいたので、「マレーシアとか香港の方が、イギリス向けの製品が安く売っているんじゃないですか?」と、何の根拠もなく、無責任に答えたところ、こんな展開になりました。 まずは、教授。「いやいや、マレーシアや香港でも買いにいったんだけどね。巨大なビル内に、ウサギ小屋みたいに狭い店が無数に入っていて、何がどこにあるのかワケがわからないんだよ。だからもう疲れちゃって、ある店でUSBメモリを買ったら、なんと向かいの店で同じ製品が半額で売られているじゃない!あれはワケがわからん。本当に厄介で、愚かしいことだよ。」 次いで、マレーシアの学生。「それ以上、批判しないように。教授、それがショッピングっていうもんなんです。色々な店を見て、一番安いのを見つける。それが醍醐味じゃないですか。それを楽しめない人が来る場所じゃないんです。」 とまぁ、意外な展開に。それ以降も、フレンドリーながらも、ショッピング議論が続いてしまいました。 しかし、マレーシアの学生の肩を持つわけじゃないですが、イギリスでも、同じスーパーマーケット内で、同じブランドの、ほぼ同じサイズのミネラルウォーターが、単位容積あたり違う値段で売られているんです。しっかりチェックしないと、2倍ぐらいの違いがある場合だってあります。とはいえ、体格のいいその教授にとっての問題は、値段よりもむしろ店の狭さにあったのかもしれないですけど。 ■寿司すきだよ!
最後に、このセリフをあげておきましょう。「寿司、好きだよ!」 はい、わかりました。いいですか、外国人のみなさん、日本人は寿司を毎日なんか食べません。天ぷらだってそうです。テリヤキは料理の名前ではありません。日本食は、日本風にアレンジした洋食や中華などを含め、バラエティさと味わいに富んだ、世界最高の食事です。イタリア人のみなさん、あなたがパスタ好きだよ、と言われるのと同じ気持ちです。 あぁ、アジの開きが食べたい! |