【Fami Mail】 特別寄稿連載
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〜目次〜 イェール大学留学記
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Yale University(イェール大学)
林学及び環境学スクール
環境科学修士&開発経済学修士 大司 雄介 |
<第7回>ひき続きアフリカの発展そして環境保全 |
日本は第二次世界大戦で焦土と化し、その後急速な発展を遂げました。そして1970年ころに、GNPで世界第二位の経済大国になるに至りました。 日本やこれらの国々は、なぜ急速に発展したのか? しかし、アフリカの国々の成長を語るうえでは、『豊富な石油・鉱山資源』というのは必ずしもポジティブに働いていない面があります。これらの資源が持つ、大きな(金銭的)魅力のために、国内政治が腐敗する傾向が高いのです。また、このような政治体制の下では、天然資源からの莫大な収入をごく一部の人々のみが独占する傾向が強いために、むしろ貧富の差が広がる恐れがあります。貧富の差は、結果的にその国自体を不安定にします。 過去数十年にわたって急速な成長を遂げてきたボツワナが、韓国のように変化を遂げていない理由のひとつとして、このような天然資源に伴う問題点が挙げられるのかもしれません。 |
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■昆虫からお金 |
■動物からお金 |
■所得再配分 私たちのように、お金をたくさん稼ぐ国の旅行者が、貧しい国々を訪れ、お金を使えば、直接的に所得の再配分を行っていることになります。単純に言ってしまえば、金持ちが、そうでないものにお金を回すことです。 |
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■環境保護と開発 環境を保護することで、植物や昆虫から新薬を生成する、あるいは外国から旅行者を招き入れ、外貨を獲得する。そして発展する。これは非常に聞こえの良いサクセスストーリーです。しかし、現状はそれほど単純ではないのです。 さらには、たとえ環境の価値を数字で表せたとしても、国民の納得が得られないかもしれません。と言うのは、一般的に、経済発展の原動力となるのは工業化である、という考えが根付いているためです。それが、全ての先進国が辿ってきた道だからです。 僕の訪れたマダガスカルでも同じことが起こっていました。貧しい農民によって森は切り開かれ、国内にもともとあった森林の8割が消滅しているのです。 本稿第5回にも書いたとおり、僕はマダガスカル人の貧しさに、そして他の多くのアフリカに住む人々の貧しさに、やるせない何かを感じています。
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■私たちは何をするべきなのか アフリカの貧しい国々は、今、懸命に発展への階段を昇ろうとしています。しかし悲しいことに、現在の世界経済の流れは、流れに乗り遅れた国々を待っていてあげるような心は持ち合わせてないように思います。 2004年4月15日 |
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