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「炭疽菌」はテロに用いられる可能性が指摘されていた細菌の一つ
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2001年10月26日-米国の炭疸 続報(感染者の症状の内訳) |
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●10月24日までに”症状を示した者の総数は11名、そのうち7名は”皮膚炭疸”で4名が”肺炭疸”、肺炭疸患者のうち3名が死亡した。(WHO;Outbreak
による)。
例数が少ないので、決定的なことは言えませんが、”肺炭疸”患者の死亡率が高いという過去のデータに近いように思われます。
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●現在米国で分離された”炭疸菌”に対して、最も治療効果が期待できる「抗菌薬」は「シプロキサン」と「ビブラマイシン」の2種で、「ペニシリン」、「アモキシシリン」は前の2種より効果が劣るようです。「シプロキサン」と「ビブラマイシン」の併用内服法が
大変治療効果が期待できるとあります。CDC(米国CDC疾病予防センター)
前回 紹介した「メディカル・レター」によれば、炭疸菌治療に使用する抗菌薬のうち、「ペニシリン」が第一位の選択となっていましたが、「生物学的テロ」の場合は、一般に考えられている有効な抗菌薬と異なる抵抗性のパターンを持つ細菌が使用されている可能性が充分にあります。
現在米国で分離されている炭疸菌が生物学的武器として作られたものか否かは、
まだ判明していないようです。
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●前回、「toropimed」 では、体内へ ”炭疸菌”の侵入を受けた(と思った)時は、60日間、予防内服をすると勧告していることを紹介しましたが、60日間の予防内服を「シプロキサン」で可能か否かについてのデータは入手しておりません。
「ビブラマイシン」については、マラリア予防内服法として、大人 1日1回、100mgを4ヶ月間内服可能であることは報告されております。
因みに、自然感染で、”炭疸菌”が体内に侵入してから、発症するまでの期間(潜伏期)は文献により違いますが、大体1日から15日のようです。
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●炭疸菌を”生物学的武器”として研究した国としては、日本、英国、米国、イラクおよびロシア(旧ソ連)などが、知られています。 |
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■■■問い合わせ先■■■
オーハーシーズ・メディカル・コンサルタンツ 代表 渡辺 義一/TEL 044-865-3161
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(*1)「健康にくらす」
“海外で健康に暮らすための手引き”の著者がおくる総集編。先進国・途上国への出発前の予防接種。気候・風土と近年増加してきた感染症への対応策、医療の受け方、緊急時の治療など。カギは準備!海外赴任・出張・旅行に。
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