HIIT:
「Health Information for International Travel2005〜2006」
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編集者: Paul M.Arguin, Phyllis E.Kozarsky, Ava W. Navin
U.S. Department of Health and Human Services Public Health Service
Centers for Disease Control and Prevention
National Center for Infectious Diseases
Division of Global Migration and Quarantine
Atlanta, Georgia出版
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この本は今後 「HIIT」とよびます。
米国CDCが 海外旅行者(海外赴任者も長期旅行者として取り扱われます)に対しアドバイスを与える、保健・医療関係者への指針として2年ごとに出版しているもので、今回出版された2005―2006年版はこれまでのものと全く違った編集法で編集され、保健・ 医療関係者以外の一般の旅行者にもハンドブックとして使えるものと考えますので、紹介したいと思います。
「HIIT」は、39の表と13の地図を加えた9章からなり、504ページの本文と29ページの目次で構成されています。サイズ(15x23cm)。 |
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目次 |
第一章 「HIIT」のこれまでと現在」 |
- 出国前の注意
- 感染症の予防接種と免疫抗体による予防
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第二章 「海外旅行出発前と帰国後の健康についての諸注意」 |
- 健康に海外旅行をするためのプラン作り
- カその他の昆虫からの被害を防ぐ
- 飲食物からの感染
- 携行医薬品と衛生材
- 海外で医療を受ける
- 帰国後の注意
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第三章 「旅行者の健康に大きな被害を与える感染症の世界分布」 |
第四章 「特定の感染症の予防」 |
- エイズ (AIDS)
- アフリカ・トリパノソーマ症(アフリカ睡眠病)
- アメーバ赤痢
- アメリカ・トリパノソーマ症(チャガス病、またはシャガス病)
- プリオン病またはBSE
- コレラ
- コクシジオイド菌症
- クリプトスポリディオーシス
- サイクロスポリアーシス
- デング熱
- ジフテリア、破傷風、百日咳
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第五章 「黄熱予防接種の証明書(イエローカード)を要求する国別情報とマラリアに感染する危険のある国別情報」 |
第六章 「感染症以外の旅行中の健康上リスク」 |
- 時差ぼけ
- 乗り物酔い
- 日焼け
- 熱中症
- 高山病
- 水泳その他(スキューバダイビングなど)のリクリエーションの安全を守る
- 毒を持つ海の生物から受ける被害
- 天災または生活環境から受ける被害
- けが
- 動物が原因で起きる事故
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第七章 「移動と運搬に関する問題点」 |
- 航空機による旅行
- 遊覧船旅行
- 海外死亡した場合
- 動物の輸入と再入国
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第八章 「乳児や小児を同伴する海外旅行」 |
- 乳児や小児同伴の安全旅行
- 乳児や小児の予防接種についての勧告
- 授乳と旅行
- 外国からの養子縁組
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第九章 「特別な注意が必要な旅行者へのアドバイス」 |
- 免疫力の低下している旅行者
- 妊娠予定者、および妊娠中の旅行
- 障害者の海外旅行
- 最近米国に移民した人が母国の友人や家族を訪問するための帰国
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第4章で特に指定された感染症への対応を考える |
これらの感染症の原因となる病原体の種類を分類すると;
- ウイルス性感染症
- 細菌性感染症
- 真菌(カビ)性感染症
- 寄生虫性感染症
の4種類に分けられ、総計50種類あまりとなり、この数は米国公衆衛生学会が約5年ごとに出版する
Control of Communicable Diseases Manualの2004年版 に収録されている感染症の約3分の1に当たります。
以上述べた HIIT が指定した50種余りの感染症への対応を考える前に、感染症への対応一般について説明することは、後述する各感染症への対応を理解するのに役立つのではないかと思います。 |
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2006年4月28日 |