熱帯地帯の感染症

熱帯アフリカの感染症
熱帯南アメリカの感染症
熱帯地方における昆虫媒介感染症以外の感染症


熱帯アフリカの感染症

飲食物から感染「リスク1」

  • アメーバ赤痢 (Amebiasis)
  • 細菌性赤痢 (Shigerosis)
  • 腸チフス (TyphoidFever)
  • A型肝炎 (HepatitisA)
  • E型肝炎 (HepatitisE)
  • コレラ (Cholera) 小さな流行を度々起こしている
  • ランブル鞭毛虫症 (Giardiasis)

以上の感染症に多くの感染者が報告されている

感染者が健康な人に直接感染させる「リスク2」

  • ウイルス性出血熱の一部  (表B参照)
  • B型肝炎(HepatitisB)
  • 流行性髄膜炎 (MeningoccoocalDisease)サハラ砂漠南方の草原では12月から6月までの乾期に起きる

動物から感染 「リスク3」

  • 狂犬病 (Rabies)
    非常に多いので野生動物には近づかないこと、またペット、番犬についても予防接種をすることは勿論ですが、外には出ないよう注意することが大切です
    人の予防接種も大事ですが現在日本で行っている接種方法には疑問があります(後述)

動物製品から感染 「リスク4」

  • 他の地域で動物の皮に炭疽菌の芽胞が付着していて、これを吸い込むと肺炭疽をおこし死亡する例が報告されています。熱帯アフリカでの炭疽の流行状況についての報告は不明ですが、この地域での家畜産業が盛んなことを考えると、毛皮や出所不明の肉類には気を付けましょう

土から感染 「リスク5」 ブーツを履かずに歩くことで感染する

  • 鈎虫症 (HookwormDisease)

淡水から感染 「リスク6」

  • 住血吸虫症 (Shistosomiasis)
  • レプトスピラ症 (Leptospilosis)

昆虫から感染 「リスク7」 表C−Uを参照

性行為で感染 「リスク8」

  • エイズ(AIDS)
  • B 型肝炎(HepatitisB)
  • 淋病 (Gonorhoea)
  • 梅毒 (Syphilis)
  • その他(不明)

医療を受けて感染 「リスク9」

  • エイズ 
  • B型肝炎
  • C型肝炎(HepatitisC)

自家感染 (Auto-Infection)

  • 膀胱炎(Cystitis)
  • 熱帯性小腸炎 (TropicalJejunitis)
  • 熱帯性スプルー (TropicalSprue)

注: 病名の下に赤線のあるものは日本国内で予防接種を受けられるもの赤点線のものは、予防接種は存在するが日本国内では接種できないもの病名の下にアンダーラインの無いものは現在予防接種が存在しないことを示す

熱帯南アメリカの感染症

飲食物から感染「リスク1」

  • アメーバ赤痢(Amebiasis)
  • 細菌性赤痢(Shigerosis)
  • A型肝炎 (Hepatitis A)
  • 肺吸虫症 (LungDistoma)淡水産のカニから感染する
  • 包虫症 (HydatidDisease)
  • コレラ (Cholera)
  • 貝中毒 (ShellfishPoisoning)

感染者が健康な人に直接感染させる「リスク2」

  • B型肝炎 〔Hepatitis B〕

動物から感染 表Dを参照

土から感染 「リスク5」

  • 情報は得られないが、鈎虫症(Hookwarm Disease)は存在するのではないかと考える。 この寄生虫は、世界に広く分布していると言われている

淡水から感染 「リスク6」

  • 住血吸虫症 〔Schistosomiasis〕
  • ブラジルから報告されていますが、その他の国については不明
  • レプトスピラ症(Leptospilosis)存在不明

昆虫媒介感染症 

  • 表C―Uを参照

性行為で感染「リスク8」 

  • AIDS

医療を受けて感染「リスク9」

  • AIDS
  • B型肝炎 〔Hepatitis B〕
  • D型肝炎(Hepatitis D)
  • C型肝炎(HepatitisC)おそらく存在

注: 病名の下に赤腺のあるものは日本国内で予防接種を受けられるもの赤点線のものは、予防接種は存在するが日本国内では接種できないもの病名の下にアンダーラインの無いものは2006年現在、予防接種が存在しない

熱帯地方における昆虫媒介感染症以外の感染症

表C―Uでマラリアを含む11種類の昆虫媒介感染症を説明しましたが、 熱帯アフリカおよび熱帯南アメリカに分布する、それ以外の感染症について感染経路別に分け、各感染症に対する予防接種について考えてみます。飲食物から感染する感染症に対する予防接種の数は、感染症の数に比べて少ないことがわかります。
元来、予防接種は、予防の対象としている感染症だけを予防できる積極的予防法で、例えば、腸チフスの予防接種は、アメーバ赤痢や細菌性赤痢を予防することはできません。従って、予防接種の有無に関わらず感染経路(ここでは飲食物に対する注意)が大切になります。同様のことは、他の8〜9種類の感染経路についても言えるとおもいます。
なお、「ControlofInfectiousDiseasesManual: D.A.Heyman編集、AmericanPublichealthAssociation,2004年出版」が収録した150種類余りの感染症のうち、約6分の1に当たる26種類が予防接種により予防することができます。

2006年10月10日
  風土病はその常在地だけにとどまるとは限らない
  風土病の一つである“マラリア”
  ペスト
  デング熱
  エイズ
1971年から2004年までの感染症についてのトピックス
“出血熱”の種類 感染経路、死亡率及び分布
肝炎
ワクチンについての2つの見方

「海外で健康にくらす」
予防接種、感染症への対応

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オーハーシーズ・メディカル・
コンサルタンツ代表
医学博士
渡辺 義一
 
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