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ペットや家畜に関連する感染症に加え、野生動物が関連している感染症も少なくありませんが、これを大別すると;
- 比較的大きい野生動物から感染する狂犬病や野兎病など
- 野ネズミのような小さな野生動物や昆虫に媒介されるもの
表W-Tには比較的大きな野生動物が関連している狂犬病、表W−Uには野兎病の病原体を保有する野生動物が示してあります。
狂犬病の病原ウイルスを保有する可能性のある野生動物は、キツネ、アライグマなど7種ですが、私たちが狂犬病に感染する主な原因は、野生動物から病原ウイルスを感染されたイヌに咬まれたり、猫にひっかかれた場合が多いものです。次いで多いのはコウモリのいる洞窟に入り、コウモリの吐く息に混じって出される病原ウイルスを吸い込んで感染する飛沫感染であると言われています。
狂犬病に感染して発病すると有効な治療薬はなく、死亡率は100%と言われており、予防接種による予防が現在のところ唯一の対応策と言えます
イヌに咬まれたり、ネコにひっかかれた後の局所の手当ては以下のようです。
狂犬病予防接種を受けている、いないに関わらず、先ず行うことは以下のようです。
- 傷口に異物があれば取り除く
- 傷口を石鹸水または流水で4分から5分間洗い流す
- 傷口に局方ヨードチンキ、または70%のエチルアルコールを注ぎ込む
- 近くの病院の緊急治療部に直行する
動物に咬まれた後に起こり得る感染症で一番恐いものは狂犬病と破傷風で、上に述べた傷口の手当ては、狂犬病の少ない地域でも直ちに行うことが大事です。
狂犬病の多い地域では、局所の手当てをしてきた人に対し病院では、狂犬病の免疫抗体(免疫グロブリン)を局所の周囲に注入し、狂犬病予防接種を開始し、さらに破傷風を殺す、ペニシリン系の抗菌薬(例;オーギュメンチン)の投与を行う場合が多く、この場合被害者がそれまでに破傷風の予防接種を受けていても抗菌薬の投与を行うのが良いと言う意見が多いようです、これは破傷風が発病してしまうとその治療は容易ではないためです。
病原体の保有動物 |
イヌ | ネコ | キツネ | コヨーテ | オーカミ | ジャッカル | スカンク | 吸血コーモリ | アライグマ | - | その他 | |
狂犬病 (ウイルス性病原体) |
Rabies、 別名Lyssa |
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2007年5月23日 |