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野兎病 (別名大原氏病) Tularemia
細菌性病原体による感染症で、表W−Uに示すように、ウサギ、ビーバーなどの野生動物、マダニ、蚊の類、メクラアブなどの昆虫類が、病原細菌の保有者となる可能性があり、私たちに病原体を感染させる危険があります。表W−Tに示した狂犬病は感染して発症すると死亡率が100%と言われ、薬で治療することは殆ど不可能であるのに対し、野兎病は発病し、治療が遅れても死亡率は5から10%と言われます。狂犬病と比較すると重症になる感染症ではありません。狂犬病は多くの場合イヌに咬まれたり、ネコにひっかかれて発病しますが、狂犬病の予防接種と傷口の手当を行えば発病を防ぐことができます。野兎病は、SARS、ブルセラ症に似た病原体を保有する(かもしれない)動物の肉、組織、内臓を素手で取り扱ったり、病原体に汚染された水や食物をとったり、汚染された水滴を吸い込んだり、水滴が目に入ると発病するほか、表W−Uに示した昆虫に病原体を媒介される可能性があります。すなわちリスク1、リスク3、リスク4、リスク6およびリスク7など、各種の感染経路で感染することが分かっています。通常接種を受けられるワクチンは存在しておらず、治療には各種の抗細菌薬が効果を示すようです。
表W-U 野兎病(やとびょう)
病原体の保有動物 その他 |
ウサギ |
野ウサギ |
野ネズミ |
マスクラット |
ビーバー |
マダニ |
蛟類 |
メクラアブ |
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野兎病(やとびょう) /細菌性病原体 |
Tularemia | ● |
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2007年5月23日 |