ペットについての注意

 ペットは家畜に比べると私たちにより近い生活環境で生活する場合が多いため、ペットの持つ病原体を私たち人間に感染させるチャンスも高いものです。

 近年ペットの種類も多種多様で、以前のイヌ、ネコ、サル、トリなどのほか、ヘビ、トカゲなど、その範囲は広がっています。これら新種のペットの病原体保有についての研究はまだ十分とは言えないようです。

 イヌ、ネコ、サル、トリ、時にはカメなどのペットは、私たちに下痢や高熱の原因となる病原体や寄生虫をうつすことがありますので、ペットを飼わないことが最も良いことになります。特に妊産婦、小児のいる場合はこれを守ります。このことは特に、動物感染症の多い途上国では守りたい原則ですが、もし治安上、その他の理由で動物を飼う場合は以下の注意が大切です。

  • ペットを海外に連れて行く場合は、出国先の在日大使館か領事館に連絡して、ペットの入国に必要な手続きの詳細を知り、準備をします
  • ペットの飼い主は、販売業者と関係のない獣医にペットの健康診断を依頼し、駆虫と狂犬病の予防接種を実施してもらうこと
  • ペットは屋内で飼い、庭または屋外で飼育しないこと、ペットに触れた後は、必ず手を洗う。特に小児は細心の注意をする
  • 私たちと同様に、食物は火をよく通し、飲み水、ミルクなどは5分間煮沸したものを屋内で与えること。 ただし土地の高度が100m高くなる毎に煮沸時間を1分加えること。 例えば、高度500mのところでは10分間煮沸する必要があります。
    餌は、缶詰の方が乾燥したものより好ましく、乾燥したものは稀に病原体が発見されるとの報告があります
  • 食べ残った餌はそのまま放置せず直ちに処理し、ネズミやゴキブリなどから防ぎます
  • ペットの食器、皿なども直ちに洗い、皿洗い器があればこれで洗浄し乾燥します
  • ペットの飲食については、人間に対するのと同様の注意が必要です
  • ペットの運動については、毎日外に連れ出す必要があり、その際、屋外で病原体を持った昆虫にたかられ、屋内に持ち込む可能性もあるので、ペットに昆虫忌避剤をつけた首輪をつける必要があります。 Permethrin が Deet より優れていますが、残念なことに日本国内では入手できないようです 
2007年5月23日
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オーハーシーズ・メディカル・
コンサルタンツ代表
医学博士
渡辺 義一
 
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制作:海外生活(株)